誰もが老いていきます。東京大学教授と地方裁判所調停委員という社会的立場の高いご夫婦であっても、高齢者だけで生きていくことは困難です。老いて連れ合いを亡くし一人になられた時、尾佐竹さんが選んだのは、自分の家を認知症の方々の憩える場とし、ご自分もその方たちと一緒に支援や介護を受けながら、地域の皆さんと暮らす道でした。
落成式後のパーティの席で、私はスピーチの場を頂きました。これまでの尾佐竹さんの生き様と、老いてもなお、多くの方に感謝され、社会的貢献をされている彼女の姿勢に感動していること、そしてそこまでの道のりを作られた身内の方に、感謝状を差し上げたいという思いを述べさせていただきました。
私のスピーチ後、尾佐竹さんは何度も手を握って喜んでくださいました。