この講演会のことは、事前にマスコミにも取り上げられて、会場の中野ZERO小ホールには、様々な自治体職員、教育関係の方、被害者支援団体の方、民生委員など、多数が集まりました。
宮園氏は、ご自分のお嬢さんが被害に遭われた池袋通り魔殺傷事件と、昨年起きた秋葉原無差別殺傷事件を例にあげて、加害者、犯人を取り巻く地域の無関心さが生んだ事件であると共通点を指摘されました。どちらの事件も、学校関係者や地域の人たちが、事件を起こす前の犯人の存在を気にしながらも、自分自身が積極的に係わらなくても、誰かが係わっているのではと考え、誰も加害者に積極的な係わりを持たなかったことが指摘され、それが加害者の孤独・疎外感となり、凶行に走る1つの要因になったのではないかと言う趣旨の話でした。宮園氏は自らの辛い経験を踏まえて、地域のネットワークや付き合いが安全・安心の社会を作っていくことに絶対必要であると語られました。
また、中野区の犯罪被害者支援窓口については、被害者支援に留まらず、子どもたちが被害者にも加害者にもならないように、人権教育を行っている事を、高く評価してくださいました。
鈴木氏は1人息子を見知らぬ金目当ての少年たちに殺されました。犯人の少年たちは「少年法」によりしっかり守られ、亡くなった息子さんと残された遺族は、全く忘れられた存在であったと言う話をされ、多くの聴衆の心を打ちました。会場のあちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきました。
私自身、中野区がこの会を行うにあたり、準備段階からいろいろ係わらせていただきました。
会の終了後、被害者団体の方、マスコミ関係者、自治体関係者から、「いろいろな犯罪被害者行事にでています。今日の会は、派手さはありませんでしたが、中身の濃い、必要性の高い講演会でした」と言うありがたい言葉をいくつももいただきました。
私は、犯罪の加害者を出さない社会を作っていくことにこれからも取り組んでいきたいと思っています。