事件から5年も経っているのに、「警察がまだ骨を持っていた」などと突然聞かされたところで、相談する人もなく、どう対応して良いのかわからず大変つらい思いをしました。被害者の会で相談をしましたが、同じ苦しみを抱えている被害者の方でも、「私だったらすぐに取ってきてご供養するけど・・・」と言う方、あまりに私を気の毒に思い黙ってしまった方も居ました。
私は今年11月の主人の7回忌に併せて供養していただき、納骨することを決めました。骨を受け取りに警察に行くこと、その小さな遺骨を家に置いておくこと、お墓を再び開けて納めてもらうこと、どれも私にとってたまらなくつらい作業でした。そして今日、お墓を作ってくださった方と2人で主人の骨を骨壷に納めました。保護司職を長年経験されたその方は、「本当にひどいことですね」と、この悲しい作業も含め、殺人犯、酒井裕・坂本亮・高橋佑介・沢田将基・緒方剛・斎藤揚礼に対して怒りを示していました。納骨作業は、2回にわたっての下見と今日の丸半日仕事で、相場は4万円ほどだそうです。犯罪の加害者たちは被害者たちのこの様な苦しみを知ることもないのです。
杉並区犯罪被害者支援のつどい
午後、杉並区の杉並区犯罪被害者支援のつどいに参加しました。
田中杉並区長のあいさつの後、全国犯罪被害者あすの会のDVDが上映され、あすの会の宮園さんの講演がありました。
宮園さんは、アメリカにいる妹さんの結婚式に行くためのパスポートを池袋サンシャインに取りに行く途中のお嬢さんを、無差別殺人によって亡くされました。国や社会を恨んだ男による白昼の無差別事件です。宮園さんは、その後、あすの会設立に関わり、現在も幹事としてあすの会の活動に尽力されています。凶器の種類によって被害者の補償額が変わってくる現状、各国の賠償額と我が国の賠償額の違い等、社会の余りにも理不尽な矛盾を多くの人に訴えています。会場に集まった多くの杉並区民も興味深く耳を傾けていました。
休憩をはさみ、昨年と同じく、BIGBLL(男性デュオ)のミニコンサートがありました。彼らの心に響く美しい旋律の歌に涙する方もいました。このBIGBLLは区内の児童施設などで子どもたちにギターや歌を教えてくれたりもしているそうです。ミニコンサートは今年で2年目ですが、とても感動的でした。
写真:新区長も、犯罪被害者支援の重要性を挨拶の中で話されました。