7件の所管事項の報告を受けました。
その中で、最近、我が家の近隣で起こった問題が報告されました。
近隣のお宅で住宅を取り壊すことになり、作業車が入ろうとしたのですが、道幅が狭く入ることができません。不動産屋で調べてみると、区道と個人宅の境に、個人所有の樹木がはみ出して植えられていることが判明しました。区道にはみ出て植わっている樹木を、個人宅の庭に移す作業をしなければならないことを区の職員が住人に知らせたのですが、職員は、持ち主の許可が下りたと勘違いして、住人立ち会いのないまま、樹の伐採と移植を行ってしまいました。結果的に移植分を含む33本の樹木は全て枯死してしまいました。その賠償金を区が払うことになり、区道を管理している建設委員会で報告されたのです。
なぜ、「このようなミスが起きたのか。」「今後どう防ぐのか。」など、複数の委員が質問をしました。また、このような事が起きないように、他にも区の道路に私有物の占用がある所を、調査し、解決していくようにと言う質問もありました。
我が家の近隣の出来事でもあり、私は事件当時から、当事者の方からの相談や報告を受けてきました。単に、区職員の連絡ミスだったとしても、大量の立派な樹木を失ったことは、当事者に、過大な損失と精神的打撃を与えたばかりではなく、地域の環境面でも大変残念な出来事でした。私は、地域住民の声を複数お伝えしました。
この件から、区道の適正な管理が指摘されました。
我が家の裏側は、かつて小さな水路(ドブ)があり、庭の一部はその水路跡地となっています。私の父は、使えない水路跡(2mの区道)と交換に、我が家の土地である家の前の広い道の一部を区に区道として提供してきました。そして、父はずっと、皆が使う区道の分の固定資産税も払ってきました。水路跡の区道は、家の庭の続きとして管理し、常に草むしりをし、樹木の剪定もしてきました。これまでかけてきた樹木の管理(植木代)と草むしり代の負担も馬鹿にならない金額です。
隣家も、我が家も、水路跡の何の管理もされない区道に、永い間、個人で金を払い、地域の緑を残すことに協力してきました。
今後、区道の適正な管理が厳しく行われるとなると、そこにある緑は伐採され、コンクリートの区有地になる可能性もあります。環境を考えると、大変残念なことになりそうですが、区道は適正に管理しなくてはならないので、仕方ないと思っています。
隣家にも我が家にも、建物裏の(区道であるところの)同じような場所に物置が置かれています。隣の先代も父も、この地域の住民たちは、緑が伐採され、使えないコンクリートの空間になることを恐れて、水路跡に物置を並べて置いたのかもしれません。公共性の高い場所に自分の土地を提供し、公共性の低い場所公共地を住民が管理して来た歴史があるのです。確かに公共地にモノを置くことは、違法であるのかもしれません。しかし、自宅の土地を役に立つ公共地に提供し(もちろん、これまで収めてきた公共に提供した土地の固定資産税は戻りません)、その一方で、使えない土地の樹木を育て守り、地域住民の公共の福祉に貢献しようと動いていた地域住民たち、昔の人の頑固までに緑を守ってきた精神が感じられます。
区道の管理にあたっては、それも許されないことになるようです。