明石さんは知的障がいをもつ33歳の自閉症の息子さんのお母さんです。息子さんの徹之さんは川崎市で公務員として自立して生活をしています。息子さんを育てている明石さんの姿、生き方は本当に感動的でした。自分の子どものことを手作りの新聞に載せ、地域の人に知ってもらう、地域の人に迷惑をかけてしまった場合は謝りにも行くが、子育ての手伝いを地域の人にもお願いしてしまうなど、明石さんはたとえ障害があっても地域の中で、皆で子育てができることを証明してくださいました。障害が無くても子育てが大変で、毎日悲鳴を上げているお母さんが多い中、その明石さんの姿勢に、新鮮な驚きと感動を受けました。
どのお子さんにも育っている地域があります。どんなお子さんでもその事実を受け入れ、次のスッテップに育てていく、そしていつか自立できるように導いていく、それが親の仕事であることを明石さんは教えてくださいました。障がいがあればお母さんの努力は障がいのない人より多くなります。それは並大抵な努力ではありません。それでも明石さんは地域の人を巻き込むことで、乗り切っていきました。
感動で涙を流す方もたくさんいらっしゃいました。母の強さをひしひしと感じる本当にいいお話でした。明石さんは立派な方です。ただ、自分の子どもの子育てに専念できる幸せな環境の方であったのも事実です。障がいを持っているお子さんがいるのにその子どもにじっくり向き合う時間も取れない環境の方もいらっしゃいます。その子どもたちを自立にまで導くのは誰なのでしょうか?様々な問題を考えさせられるお話でした。