杉並区の藤原先生の「よのなか科」の授業は有名ですが、安松中学の平野先生も生徒たちに世の中のことを学ばせる「よのなか科」の授業を行っています。今日は「よのなか科」法律シリーズの最後として、『少年審判での判決、刑事裁判での判決が出た後、残された被害者の家族はどう感じるのか』と言う授業でした。
先月司法3方(検察官、裁判官、弁護士)を呼んでの模擬裁判は、中学生にここまで手厚い授業をされるのか、と感動しましたが、今日は、犯罪被害者の遺族を呼び、すべての立場の人の仕事や気持ちを考えるという充実した取り組みでした。
この授業で私は講師として話しをしました。私の話を聞きくうちに、「人が殺されてしまうという」事が、ドラマや漫画の中のことのようにしか考えていなかった生徒の顔つきが変わってきました。私は、いろいろな場所で、生徒たちの真剣な顔を見るたびに、「被害者講和」の必要性を強く感じます。
そして今回の授業で1番印象的だったのは、授業が終わってから、男性教諭が、私の話の最中にニタニタ笑ったり、消しゴムのかすを投げてふざけていた少年たちに対して、大変怒った事です。次の授業が始まっても、「傷ついた人間に対してお前たちのとった態度は許せない」と叱っていました。私は、弱い立場の人を傷つけることに絶対的NO!を教師が発信しているのを見て、胸が熱くなりました。「勉強がどんなに優秀でも、人を傷つけている生徒には、高校受験よりもっと学ぶ事がある」と、次の授業に行く事も許さない教師の断固とした態度に屈して、生徒たちは次々と私に謝りにきました。中学生が他人の話しを聞かないことよりむしろ、厳しい態度に出た先生に私の方が驚きました。
「いけないことはいけない」としっかり指導してくれる先生がいる学校、生徒たちに現実の世界を見せて、世の中の仕組みを一緒に考えてくれる先生がいる学校、本当に教師の力量で、同じひとコマの授業時間でも、生徒たちは多くのことを学ぶのだと痛感しました。
夕方より
野方商店街振興組合 新年会