委員会を休憩にして、中野区が始めた「里・まち連携事業」について、山梨県甲府市勝沼町に視察に行きました。
中野区はこの「里・まち連携事業」を「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」素案に「重大プロジェクト」とする旨を掲げています。それほど区にとっては重要な位置づけだと言います。私は前回も区民委員会に在籍し、この流れを見て来ましたが、「どこの自治体と」、「いつから」、始めると言う具体的提案もないまま、いつの間にか交流が始まっていた事業です。
現在、茨城県常陸太田市、群馬県富岡市、千葉県館山市、長野県中野市、福島県喜多方市、山梨県甲州市、この6つの市と里まち交流を始めています。
今日訪れたのは山梨県甲府市です。
勝沼ぶどうの丘と言うレストラン、宿泊、温泉施設のある場所で市の概要、観光についての説明を聞き、地下のワイン貯蔵室を見学しました。
甲府市人口 35,977人 世帯数 13,078世帯 面積264.01平方km
市が経営するこの施設は黒字であるそうです。宿泊も稼働率が80㌫を超えているそうです。
その後、明治36年(1903年)に建造されたレンガ積みの鉄道トンネルを活かした「ワインの熟成庫」を見学しました。(年間6度~14度)でワインが保存されているそうです。
ほとんど何の投資もなく、年間2000万円の収入が得られているそうです。個人、企業の方がオーナーになっています。
甲州市は、人口も少ない、ぶどう農家の後継者不足も課題であり、産業も果実(ぶどう・すもも・もも等)しかないと言う条件の中、観光とワイン産業を結びつけて、訪れた人たちを楽しませてくれる工夫を凝らしていました。「フットパス」と言う、「まち歩き」も観光の目玉として行われていました。東京都町田市とはフットパス交流を進めているそうです。
委員会視察として甲州市を訪れ、区役所から車で2時間弱、自然の中で、良い空気、良い眺め、古い鉄道のトンネルを活用したビジネス等を見る事ができ、とても良い体験をさせていただきました。
しかし、このことを多くの区民の重大プロジェクトとしてどのように生かしていくのかを考えると疑問が残ります。甲州市にとっては、「観光に来てもらえる」「産業物が売れる」と良い点がすぐに見つかります。明日も中野サンプラザで行われるイベントに甲州ワインが使われるそうです。中野区民も、お金さえあれば観光に行き、ワインも買うことができます。しかし、それを行政のプロジェクトとして進め「最重要施策」とする必要があるのでしょうか。
区によって無理やり進められる里まち連携事業、中野区民のためになる交流にはどのようなものがあるのか、本当に区民のためになる事業にしていかなければなりません。
ぶどうの丘 地下ワイン貯蔵庫

トンネルを利用した熟成庫

都議会議員からの報告
甲州市の視察から帰った後、都議会議員に会いました。
民主党の都議会議員、西澤けいた議員が私の部屋に寄ってくださいました。以前、私が都で行っている学力調査の結果について、わかりにくく、実施後の成果は見られないので、改善を求めたいと提案したことについて調べてくださいました。彼が調査していると、ある職員が、「いままで、教育の中身のことで細かく質問をしてきた議員さんはほとんどいなかった」と話したそうです。教育行政では東京都が大きな力を持っているというのに、ほとんどその具体的な中身に触れられずにきたという事です。いままでは、とにかく公共事業優先で、教育予算が、学校の中の設備、防犯カメラ、芝の校庭などに使われてきました。また、オリンピック誘致のためにスポーツ選手への謝礼なども教育予算の中で使われてきました。
今回のように、一般の保護者の声を代弁してくださる都議会議員が誕生したことは大変嬉しいことです。