時効廃止成立
衆議院本会議を傍聴しました。
「重大事件の公訴時効を廃止・延長する法律」が施行されました。1880年(明治13年)の時効制度導入から130年の年月を経て、ようやく犯人の「逃げ得を決して許さない」という法律が成立したことになります。私は、時効と言う時の壁に、あまりにも辛くやり切れない思いをしてきた犯罪被害者遺族や、時効を迎えるまでの毎日が、焦りと苦しさに満ちた時間との闘いである遺族と、これまで時効廃止に向けて一緒に運動をしてきましたので、今日は感動の瞬間でした。
「歴史と法制度を自分たちが変えた」と思える瞬間でした。一般的には法案が国会で可決されると天皇の許可を得るため、その法律は翌日施行となるのですが、本日時効を迎える事件に間に合うよう即日の施行となりました。その遺族にとって、この対応はどんなにありがたかったことでしょう。
冤罪問題、警察の財政的な問題等を理由に、時効廃止を問題視する声もありますが、まさに冤罪を生まない警察の初動捜査能力の向上、現在の加害者に対する手厚い財政投入による過大な財政負担など、まだまだ検討する必要があります。また、時効が廃止されたところで愛する家族を亡くした遺族の悲しみが癒えるわけではありません。時効廃止は、被害者遺族にとり、わずかな光ではありますが、ずっと真っ暗闇の中を生きなければならなかった人々にとって、本当に有難い光になりました。