主人の父の一回忌
主人の実家で主人の父の一回忌の法要が営まれました。
皆に尊敬されていた主人の父の突然の死から1年、親戚が一堂に会しその死を悼みました。虫歯一本なく、風邪ひとつひいたことがない元気そのものだったお父さんが、肺ガンが見つかってから1年もたたずに亡くなってしまったのが、昨年の6月のことでした。ガンという病気で亡くなったというより、心労に潰されてしまったように私には思えてなりません。
主人が行方不明になったことを聞いて東京に駆けつけた時、お父さんは、見つかるはずもない自分の息子を探して新宿の人ごみを歩きました。慣れない東京で、「浩は真面目な子だから、連絡もなくいなくなったりするはずがない。どこかの病院に意識不明で担ぎこまれているかもしれない。東京中の病院を探して回る」と言っていました。
やがて、息子が殺されたことがわかり、犯人が、元上司である酒井裕に金で雇われた5人の若者であるとわかった時、長年教育一筋に心血を注ぎ、教師、校長、教育委員を務められたお父さんは、目を真っ赤にして「私たち教育者がこういう若者を育ててしまったのか。私たちの責任です」と言って震えていらっしゃいました。その姿は今でも私の心に鮮烈に残っています。どんなに無念で、辛かったことでしょう。
犯人たちは、自分たちが手を掛けて殺した人間の他にも、死ぬはずのなかった人間を、間接的に殺してしまったことなど知る由もありません。