新宿区立 子ども総合センター
新宿区に今年4月オープンした「子ども総合センター」を視察しました。
1 階に乳幼児と保護者のための「親と子のひろば」、地下 1 階に「児童コーナー」があり、広いホールや工作室、中高生のための施設もあります。中学校の跡地に、23億円かけて建設されたものです。私は、駅から歩いていて道に迷ってしまい、自転車に乗っていた子どもに場所を尋ねました。すると、「僕たちもこれから行くんだ。すごく楽しいよ!」と言って道案内をしてくれました。
今日は新宿区にある工学院大学の理科教室を開催していました。
紙コップで「すもうロボット」作り、天然素材を活かした色と香りの化学~芳香剤づくりなど、大学生のお兄さん、お姉さんたちと子どもたちは楽しみながら理科を学んでいました。いろいろな材料を使っての本格的な理科の実験に子どもたちは真面目な顔をして取り組んでいました。理科教室の受付や履物の整理などは、この施設を利用している子どもたちの保護者が担当し、地元大学、児童館、地域の人たちが一緒になっての「サイエンス・フェスタ」でした。
この施設には、常時ガードマンが配置されていて、子どもたちの安全を守っています。いつも子どもの目線で過ごしている方です。しばらく話を伺いました。子どもたちのけんかなどに対しても、よく見てくれています。地域的に外国人のお子さんの多いこと、隣のビルにはシルバー人材センターが入っていて、児童館の帰りに勉強を指導してくれる場所もあり、保護者たちに喜ばれていることなど話してくださいました。外には広いグラウンドもあり、サッカーやボール遊びをする子どもたちを、介護施設の高齢者たちがベンチに座って楽しそうに見ているそうです。うらやましい、素晴らしい施設でした。
中野区は学校跡地を「すこやか福祉センター」にしたり、民間に貸して使う予定ですが、約10億円の予算をかけて改築しても、使い勝手が悪い中途半端な施設作りでは、結局無駄になってしまう可能性があるのが気になります。長い目で見ると、この新宿区のように、子どもたちに使いやすい施設を建てるほうが無駄にならないと思います。
この子どもたちの総合センターを作った新宿区の区長は元中野区の職員です。新宿区も財政的には厳しいのですが、児童館が子供たちに必要と判断し、総合的な子どもたちの施設を作りました。
今、中野区は、これまで素晴らしい機能を果たしてきた児童館を無くし、子どもたちの居場所を学校の中だけに限定していこうとしています。




