藤原和博氏『坂の上の坂』主版記念講演会
2003年より5年間、東京都の義務教育機関で初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務め、2008年、当時の橋下大阪府知事の特別顧問を務めた藤原和博氏の『坂の上の坂』主版記念講演会がありました。
藤原氏は「司馬廉太郎の名著『坂の上の雲』の時代は平均寿命が今の半分であった。今日では多くの人が80代まで生き延びる。坂の上に、また坂のある時代を生きていくことになる」と著書に記し、それぞれがどのように生きていくかを、会場の参加者が自ら発想するよう投げかけました。和田中学校の授業の時と同じようにワークシートに記入するなどの作業もありました。参加資格は、『坂の上の坂』を購入したか、今後購入する予定の人で、参加費は無料でした。
私は、和田中学校時代の藤原先生の「よのなか課」の授業に参加した縁で、「よのなか課」の授業を取り入れている先生や藤原先生に縁のある方と知り合いになりました。埼玉県で「よのなか課」の授業をされている平野先生の授業にも何度かゲストティーチャーとして参加しました。
講演後、「よのなかネット」の皆さんの忘年会に参加しました。集まったのは、立派な学歴を持つ方、会社人として業績ある方、学生、主婦など様々です。共通している点は、藤原氏の「人生の次のステージ、次の坂に移るときは、踏みはずすことでしか次の山には踏み出せない」を地で行っている方々であるように私には思えました。震災・津波・放射能で傷ついた日本をこれから変えていくのは、これまで日本を築いて来た、すべて同じ方向を見て、同じ正解に向かって動く人たちではなく、世間から見ればかなりはみ出したように見える人たちであると思います。私自身も困難な山をなんとか乗り越えながら、無所属の立場で区民の声を届けてきたことで、その一員として皆様に受け入れていただいたように感じました。藤原先生は「坂の上の坂」世代が続々と後半の人生にチャレンジし始めた時、高齢化は日本の社会を制約する負の条件から、未来を約束する一筋の光明に変わると話されました。
皆さんも、「坂の上の坂」を読まれ、これからの人生、新たな気持ちで「坂の上の坂」をどう生きるのか考えてみてはいかがでしょうか。
本年は大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様良い年をお迎えください。