この4月から、中学校の保険体育授業で「武道」が必修化されます。種目としては柔道・剣道・相撲の3種目。剣道は防具等道具を準備しなくてはならないこと、相撲には土俵が必要なことから、圧倒的に「柔道」を選択する学校が多いと考えられます。
しかし、柔道による事故の多さは、全てのスポーツの中でも際だっていて、死亡事故も多発しています。経験の浅い指導者が、これから「授業」として全ての未体験の中学生に柔道を教えることになるリスクは計り知れず、私は以前から大きな危惧感を抱き、中野区議会で質問もしてきました。(平成22年第三回定例会 9月17日一般質問)
最近になって、柔道の必修化について、マスコミがいろいろ取り上げるようになりました。
本日のNHK「クローズアップ現代」でも「中学校で武道が必修化 多発する柔道事故」として、柔道の必修化に当たっての危険さ、指導の心構えについてが報道されました。実際に指導する側の先生にも多くの戸惑いがあるようです。
ただ「武道必修授業」が始まるのは、この4月から。直前になっての危険認識の伝達では、あまりにも遅すぎるのではないかと私は思います。事故が起こってからでは遅いのです。
学校の、自治体の、国のしっかりした対応を心からお願いしたいと思います。
以下は、私の質問(平成22年第三回定例会9月17日一般質問)の要約です。
全文は、以下のホームページ「小枝ネット」私の議会報告に載せています。
http://homepage3.nifty.com/koeda_net/gikaihoukoku2.htm
○子どもたちが武道の精神を学ぶことは良い事ではあるが、一方では、特に柔道による子どもたちの事故が多発していることも事実であり、大変心配される。武道がすでに選択性で行われている区内中学校で、柔道による事故やトラブルの事例を耳にしたが、区内中学で柔道を行っている学校は現在何校ぐらいあり、過去に事故等は何件あったのか。
○中高生の柔道における事故は他のスポーツに比べて頭抜けて多く、死亡に繋がる重大事故が多発している。柔道を部活動として自ら選択した生徒の事故だけでも、1983年から2009年の27年間で死亡者は110名。(愛知教育大学:内田良講師の資料より)一方、現在日本より柔道人口が3倍も多いフランスを含む欧米では、過去10年、柔道による18歳未満の死者はゼロである。これは、安全対策が徹底しているからに他ならない。授業として柔道を指導するとなれば、多様な生徒たちが対象となる。区ではどのような安全への配慮を行っていくのか。
○武道の精神や相手を思いやる気持ちというものは、一昼夜で身につく物ではない。まずは相手を思いやる気持ちを持つことから教育しなければ、体力に任せての暴走を引き起こし、逆にいじめや事故につながることになる。生徒たちに、武道精神を教え、心身を鍛え、事故のないように指導する体制を築くことは、簡単ではないと思うが、区の見解を伺いたい。
両親のショートステイ
両親をショートステイに送り出しました。ショートステイを受け入れる施設は以前に比べて多くなりました。つかの間、身内は介護から開放されます。しかし、荷物を作り、手続きをして、その場へ連れて行くのも、自宅へ戻すのも半日仕事です。在宅介護の家族は、少しの間休むためにも多くの労力と周囲の協力を要します。