私の主人は、2004年11月、大手企業の元上司だった人間に殺されました。あれから、今年で10年になります。
5年前、殺人事件のDNA鑑定等に使うために警察が預かっていた主人の遺体の一部が私に返還され、どうして良いか分からず、一時お墓の中に入れておく手段をとりました。警察からの埋葬許可書も何もない遺骨です。火葬もできずにいました。
殺人事件から9年を経ても、被害者遺族が傷つき困っている事情を理解してくれた中野区の犯罪被害者支援窓口の職員がいろいろ調べてくれました。警察に埋葬許可書を発行させる手続き、(警察は、「許可書は出せない」の一点張りだったようです)お寺、火葬場、葬儀屋との手続きの間に入り、1か月近くの時間をかけて、ようやく埋葬する手順が整いました。この納骨に職員も立ち会ってくれました。
このような悲しい作業を被害者遺族がすべて1人で担っていくことは、余りにもつらく、やりきれないことです。犯人たちもその家族も被害者遺族にこのようなことが起こっているなどとは全く想像できないでしょう。
私は自ら中野区に犯罪被害者のための窓口を作り、一緒に行動してくれる行政機関の存在を得ることができましたが、どれだけの被害者が傷つき、殺人事件の後始末を1人でしなければならないのでしょうか。警察、行政等、国をあげての被害者支援の取り組みが急がれます。