その資料の終わりに、社会福祉法人 中野区社会福祉協議会 中野ボランティアセンターが発行している通信が付いていました。「2005年夏!体験ボランティア」と書かれ、親子で、友人と一緒にボランティア活動にチャレンジしてみませんか?というものです。お年寄りの話し相手、通院の付き添い、知的障害のある方の学校までの送迎、などが募集対象です。以前はご家族の中だけで解決していた問題を広くボランティアを呼びかけることで、助けあっていけるなら、とてもいいことです。しかし、以前はボランティアを呼びかけなくてもご近所どうしで助け合って成り立っていたことが成り立たなくなってきたとも考えられます。地域の人たちが忙しくてお隣の困っている人に手を貸せる余裕がなくなってきているとも思えます。近所の助け合いもできないほど、親子とも忙しい今、多くの募集者があればいいのですが。
国では、介護保険の見直し、支援費制度の見直し、が進められています。お年寄りや障害を持つ方には負担がより重くなっていきます。財政難から自分たちの責任で生きていって欲しいと望む国の政策と、生活に一番近い自治体のボランティア活動の勧め、これからの行政に必要なことは何なのでしょう?地域で個人が地域のためにできることは何なのでしょうか?税金の使い方と共に区民が考えていかなくてはならない大きなテーマだと思います。
夕方 子どものクラブ活動の試合の説明会がありました。以前も紹介しましたが、子どもが属しているクラブはお母さんたちのボランティアが活動を支えています。自分たちも忙しい中、4時から6時まで学校に来て、子どもたちに自分たちの持っているスポーツの技術を指導してくださるのです。顧問の先生も5人ものボランティアの方に支えられてクラブ活動を続けることができることに「こんなに恵まれているクラブはありません」と評価されています。
少子化の中、PTAの活動、地域活動、自分の子どもたちのことなど、ボランティアのお母さんたちはいくつも役職を持って大忙しです。本当に頭が下がります。けれど、熱心なお母さんたちの善意だけに支えられて、義務教育である公立中学校のクラブ活動が成り立っているということは、本当に喜ばしいことなのでしょうか?ここにも、行政のやるべきことが見えません。私立中学校にお子さんを通わせている保護者の方はクラブ活動の充実を希望して私立に通わせる方も多いのです。中野区は今、小中学校の統廃合を考えていますが、クラブ活動の充実にきちんと力を入れ、そこにプラスお母様たちの善意がうまく機能する方向をとることが大事であると思います。