彼女の作品は毎年「環境」「平和」「命」などのテーマが付けられていて、絵を通じて「良い社会にしていきたい」と言う彼女の思いが伝わってきます。子育て中のお母さんが自分の子どものことだけではなく、「環境」や「平和」や「命」を考え、そのことを絵で表現できるのですからとても素晴らしいことです。残念ながら彼女には会えなかったのですが、電話をしました。「今回はどんなことがあってもあなたに会いたかったのに・・・」と主人の死以降一度も会っていない彼女は残念そうに言ってくれました。けれど私は、素晴しい「命」の絵の前で彼女に会うのは、辛すぎ、今回は会えなくて良かったのかもしれません。彼女に会ったら涙が止まらず、おおぜいの方がいる会場でご迷惑をお掛けしたかもしれません。主人を殺した酒井裕や、金で依頼されて知らない人間に寄ってたかって暴行を加え、「放っておいたら死んじゃった」と言う5人の若者たちには、このような命の大事さを訴える人たちの存在も、大切な人の命を奪われた人間の悲しみも、何一つ理解できないのでしょう。写真をご覧下さい。(写真下)

夕方から子どもの保護者会に出席しました。「やる気のない子どもたち」「だらしない子どもたち」についての先生の話にお母さんたちは皆うなずくばかりです。広いグランド、整備されたプール、でも、子どもの姿はありません。
体育の授業で、1学年でプールに入った女子が3人だけの日があったそうです。「プールのコース数より生徒の数が少ないのよ」と先生は笑っておっしゃっていましたが、笑えない話です。私自身は小〜中学生のときはプールが大好きで、夏と言えば1日中でもプールに入っていたかった子どもでした。そういう子どもたちがたくさんいて、プールの中ではいつもぶつかり合っていました。先生が個別に指導することなど不可能ほど大勢の子どもがプールの時間を楽しんでしました。今ではプールの環境設備はずっと恵まれていますが、いつでも入れると思うと意欲がなくなってしまうのかもしれません。子どもたちに元気と意欲を取り戻させるために、大人たちには何ができるのでしょうか?