刑務所は全国各地にあり、加害者が6人もいる私の場合、6人が皆違う刑務所に収監されています。私も何度も新幹線に乗って遠方まで意見を言いに行きました。
その都度、地方更正保護委員会の職員から、この制度の利用率が低い現状を伺っていました。そこで「せっかく被害者のために作られた制度にも関わらず、経済的に苦しい被害者が遠方まで旅費を負担してまでこの制度を使うとは思えない」と、私は各更生保護委員会や保護観察所、内閣府の講演などで何度も申し上げてきました。
たった1人の被害者が声をあげたところで、国の制度が改善することなど不可能だろうと思いながらも、どうしても大勢の被害者のために言わずにはいられませんでした。
そして今日、保護観察所の方から、今年度から、被害者にも旅費が認められることになったことを聞かされました。「やった!」大変うれしい驚きでした。1人でも各所で訴え続けてきて良かったと思いました。
これは、私が1人の被害者遺族と言う立場だけではなく、後ろに2000以上の区民がついていてくれることも、各所での国の職員たちが信頼してくださる大きな理由ではないかと感じています。