大藪さんはアメリカの新聞社で専属のフォトジャーナリストとして働いていた1999年、就寝中に、見知らぬ男に自宅に侵入され、レイプ被害に遭いました。その後の経験、アメリカの支援体制、フォトジャーナリストとしての活動等について話してくださいました。
彼女がアメリカとカナダで約70人の性暴力被害者を取材撮影したプロジェクトは、アメリカのテレビでドキュメンタリーとなり、アメリカでの彼女の活躍は注目されてきました。日本でも各地で講演活動、写真展、各関係機関と繋がり、被害者支援体制を整えるための活動をされてきました。
彼女は講演の中で、まず「被害者は悪くない」と言うことを伝えたい。悪いのは加害者であって、「被害者は全く悪くない」と言う言葉を支援者が早い時期に被害者に伝えてあげることが大事であるとおっしゃっていました。私は、これは、子どもたちのいじめなどにも当てはまる大事な言葉だと思っています。「悪いのはいじめるほう」、この言葉を先生や近しい誰かがいじめられている子どもに伝え、励ましてあげることが、被害にあった人が、自らを責めて苦しみ死を選ぶ悲しい結果を招くことを減らす大切な言葉だと思います。
彼女のように、被害者当事者が、性暴力被害後も生きやすい社会を作るために活動を続ける姿そして真摯に響く言葉から、私たちは多くの勇気をもらいました。