平成5年に病院を退職した3人の看護師さんが開所した「デイサービスこのゆびとーまれ」は、従来の高齢者、障がい者、子どもの施設の枠を超えて、デイサービスとして運営することを可能にした施設です。「自分の家で過ごしているような施設を作りたい」という3人の看護婦さんの熱い思いは、今まで許可されなかった介護保険上の指定通所介護事業等での知的障がい者、障がい児のデイサービス利用を可能としました。平成15年11月に「富山型デイサービス推進特区」として認定されました。平成18年には障害者自立支援法が施行され、地域限定の構造改革特区の制度から、全国的な制度として広まっていきました。
デイケアハウス「このゆびとーまれ」の中で、この施設を国が認める施設として確立するまでの苦労の歴史を伺いました。3人の元看護婦さんたちは、自分たちの理想の施設を作るために、知恵、労力、私財をつぎ込んできました。毎年、全国からの視察が絶えないということです。
理事長の惣万さんは、ナイチンゲール賞を受賞しました。
施設は、一般の民家を改装して使っていました。家の前では、高齢者、障がい者、子どもが一緒に楽器に合わせて歌を歌っていました。みなさんとても楽しそうでした。
私は富山県出身の主人とその家族と過ごす中で、大変努力家な姿、辛抱強い姿を見てきました。「こんなにも目標に向かって頑張れる人がいるのだ」といつも驚かされてきました。ですから、高齢者、障がい者、子どもたち、地域の皆のために必要な施設を作るために尽力された惣万さんたち3人を本当に素晴らしいと思うと共に、彼女たちが富山県の人であったことに納得する思いもありました。
利用する人たちにとって必要な施設を作るために、困難にもめげず、国さえも動かしてしまった3人の女性の努力された姿は私にとって大きな感動でした。

