警察の方は、本当に緻密な捜査をしてくださり、誘拐後1ヶ月で犯人を捕まえ、近藤浩を見つけ出してくださいました。ただ、クリスマスの日、父親の帰りを待ち続けていた子どもたちの前に戻った「お父さん」は全く違う姿になっていました。
12月29日、東京に珍しく雪が降りしきる中、故近藤浩の告別式にはたくさんの方が参列してくださいました。本当にありがとうございました。葛飾区から不調な体調を押してわざわざ来られたのに、遅々として進まないお焼香の列に帰られた方もいたと聞きました。申し訳ございません。主人が担当していたアメリカの取引先の会社が主人の死を悼み、半旗を掲げ、喪に臥したと聞きました。とても有難く思いました。九州からはるばる出てきてくださった方が、近藤の自宅がわからず、野方の町をぐるぐる歩き周り、主人にお別れをしてくださったと後から知りました。ありがとうございました。告別式の日から2日に渡り、主人のお骨を抱き「近藤さん、近藤さん」と声を上げて泣いてくださった取引先の方、主人を愛してくださりありがとうございました。
主人は辛い思いをし、無念にも殺されてしまいました。残された私たち家族も本当につらい思いをしていますが、主人の死を悼み、多くの方が泣き、悲しんでくださいました。近藤浩がこんなにも多くの人に愛されていたことを知り、感動と感謝で胸が一杯になりました。
一人の人間の死はたくさんの手続き、後処理に終われます。主人の場合は犯罪に巻き込まれてしまったのですから、ことさらいろいろな手続きがあります。悲しくどうしていいかわからないまま、ひとつずつ、やらねばならないことを毎日こなしている状況です。
1、近藤浩は真面目に社会的正義感を持って仕事をし続け、殺されてしまったこと。
2、(悪いことをしながら)自分の地位を脅かされたという理由で、元の部下であった命をうばった犯人
3、人を殺すことに簡単に便乗し、手を下してしまった5人の若者
私はこれらのことを、絶対に許す訳にはいきません。主人のようにひたむきに真面目に働く人間が、だから馬鹿を見るのでは、この世に存在しなくなってしまうと思います。楽をして、少しのお金を稼げればそれで適当に生きて行けるのだと思う人間ばかりがはびこってしまいます。
ぜひ皆さんのお力をお借りして今回の事件のような「会社の犠牲になる人間をださない」「若者を犯罪者にしない社会」を作っていきたいと思っています。
今はまだこの悲しみと苦しみから抜け出すことはできませんが、皆様からいただいた励ましの言葉と温かい涙を無駄にしないよう、子どもともども生きて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
