父は、この学校の1期生です。以前から80周年の式典と祝賀会に参加することを楽しみにしていました。しかし、父は耳が遠いため、式典に参加しても皆さんのお祝いの言葉なども聞こえません。今までも楽しみにしている会合に参加しても「マイクが入ってないから何も聞こえない!」等と静かな会場で大きな声を出して不快感を表すことがありました。私は、元気に参列したいと張り切っている父を見ていると参列させてあげたいと言う思いと、皆さんにご迷惑をかけてしまうと言う両方の想いで、さんざん悩みましたが、「今回は90歳以上の方は、寒い体育館で長時間になるので、皆さん取りやめにしたそうですよ」と父を説得し、懇親会だけに出てもらうことにしました。父は仕方なさそうに諦めて懇親会だけの出席としました。
式典では、初めの校長先生のお言葉の中の校章の由来の部分に「1期生の近藤正二さんが大根の花ではないかとおっしゃっていました」と参列できなかった父が存命なことを皆さんに伝えてくださいました。式典に参加して「1期生がここにいますよ」と大きな声で伝えたかった父を思うと、大変有り難く、うれしい思いでした。
祝賀会で、父は、昔のPTAの方々や校長先生方にお会いすることができて、大きな声で話しても会の運営の邪魔にもならず、皆さんに親切にしていただきました。お囃子と獅子舞、津軽三味線、チアダンスなどの披露を拝見し、地元の商店街のお料理をいただき、楽しい時間を過ごしました。
父は、帰り道で、「あれだけの会を企画するのは大変だっただろう」と80周年実行委員会の皆さんの苦労をねぎらっていました。
この80周年にあっては、80周年記念のTシャツをつくり、PTA祭りでバザーを開き資金を集める、卒業生、地域の方等に寄付を呼びかる、商店街に80周年の旗を掲げるなど、地域を挙げて地元の小学校の周年行事を盛り上げてきました。その中心となって会を企画、運営してくださった委員の皆さんの並々ならぬご努力のおかげで、地元の大きな行事が成功しました。ありがとうございました。