毎月、父の付き添いでクリニックに通っていますが、父は毎回、「日にちがわからなくなったのは、ボケですかね」「病院に来るのに3つの物(保険証、お金、帽子等)を持ってこようとすると、どれか1つを忘れてしまうのですが、それはボケですか。」等いつも同じ質問をします。先生は「年相応の物忘れです。大丈夫ですよ」と微笑んでくださいます。父は先生の言葉を聞いて、納得して帰ってきます。
今日は、「ディサービスで字を書くのですが、2年前に比べて字が小さくなってしまいました。今回書いた字は、枠に丁度良く書くことが出来なかったのですが、これもボケですかね」と聞きました。先生は「確かに枠の中へうまく配分していくことが出来なくなっているとしたら、それも年相応の能力の低下かもしれませんね」とおっしゃいました。
私は、父と一緒に暮らしていて、日々さほど変わりないと思っていていましたが、だんだんできないことが確実に増えてくることを本人は気にしている、それが年を重ねると言うことなのだと思いました。マイペースで、誰に何を言われても、お酒もたばこもやめず自分の健康に自信のある父ですが、自分が確実に老化していることを認識しているのだと感じました。先生の「大丈夫ですよ」の笑顔に救われて毎回帰ってくるのです。