欠員の教育委員が1名本会議で選任されることになっていたのですが、私は、区長から渡された、その教育委員候補者の履歴書や公募時のスピーチの内容などを見て、中野区の教育委員にはもう少しふさわしい方がいるのではないかと考えていました。それでも、区長が出された議案が議会の多数決で否決されたことは私が議員になってから、これまで1度もありませんでした。区長が議案として本会議に上程したものは、これまですべて議会を通っていたのです。しかし、今回の教育委員選出については公明党が反対しました。そのため、わずか2票差で区長が推薦した候補者は不採択になりました。1議席の重さを感じた本会議でした。
来年度から中野区の全中学校で2学期制が始まります。小学校でも順次2学期制が始まっています。学校の再編計画が出され、教育現場は落ち着かない日々が続きます。子どもたちの学びをどのように保障していくのか、この時期の教育委員はとても大切な存在です。中野区の子どもたちの教育現状を十分把握している方が望まれます。そして、子どもたちとその保護者の、勉強や子育てがしやすい環境を作っていくことに尽力してくださる方を選びたいものです。
また、この日の議会には、中野区立みずのとう幼稚園のおおぜいのお母さんたちが傍聴に来ました。かわいい幼稚園のお子さんたちも一緒です。区議会の会派の控え室の前の廊下はお母さんたちとお子さんでいっぱいでした。
お母さんたちは、中野区に4園しかない区立幼稚園を何とか残したいと陳情を出され、本会議場に向かう議員たちの両脇で「お願いします」「お願いします」と頭をさげていらっしゃいました。これらの陳情は文教委員会で継続審査になり、本会議の前に行われる議会運営委員会でも全会派一致で「継続」が決まってしまいましたので、私たちができる行動は本会議場で継続に賛成することしかありません。継続審査に喜んでいるお母さんたちを見ていると、2園を廃止にしようと考えている行政に対して、議員としてこの次に何ができるのか、頭が痛い思いです。それでも、本当に必要な物は何としても区民の力で残していきたいと考えます。「継続審議」がいつの間にか消滅しないように区民の厳しいチャックが必要です。