最近、相田華子氏の「聞かせてよ、愛の言葉を」と言う本を読みました。
シングルマザーの孤独な子育て、いじめ、ひきこもり、発達障がい等の問題が、主人公の女性の目を通して描かれています。
どのテーマも、私が力を入れて取組んできたテーマです。今まで行政の目が行き届かなかった人たちが、どんな思いで、子育てをしてきたかが痛いほどわかり、涙しました。「この現実を知って欲しい」との思いから相田氏はこの本を書かれたと言います。
私も犯罪被害者の遺族となり、シングルで子育てをしてきました。やはり、子育ては、想像を超える大変さを伴いました。この本の主人公、その友だちも、つらい子育てを経験し、自分一人では耐えられず、支援するNPOを立ち上げると言う方向に動き出しました。まさに、つらい経験をしたものしか、つらい人を救えないと言う、悲しい事実に共感が溢れます。
最近多くの方が、政治の課題としてテーマにされる女性の貧困、これも大きな問題ですが、貧困だけではない、だからこそ目が行き届かないひきこもりを抱える親のつらさ、精神・身体の病気を持つお子さんを抱え、支援が行き届かない親のつらさ、ここにもっと多くの方の関心が届くように、是非とも、相田氏の本をお勧めします。
私は犯罪被害者支援に取り組んでいますが、2019年に起きた農林水産省の元事務次官が自宅で44歳の長男を殺害した事件、誰かを殺してしまう前に、親が息子を殺してしまった事件です。この事件に衝撃を受けましたが、他に、この親に何か選択肢があったでしょうか。
自治体のひきこもり対策は充実しているのでしょうか。犯罪が起こるたびに、病んだ心を持つ人を野放しにしておかない社会の構築はできないものかと思います。