医療観察法と被害者の会(がじゅもりの会)主催のシンポジウムに参加しました。
私もこの会に少し関わらせていただいています。
代表の大森氏は、児童養護施設で働いていたご主人を元入所者に殺害されました。ご主人は、元入所者のことを目にかけ、施設を出た後も気にかけ面倒を見ていたと言います。元入所者は心神喪失を理由に不起訴となったため、被害者遺族は意見を言う場もなく、記録の閲覧謄写もごく一部に限られているため、事件がなぜ起きたか、元入所者がどのような状況か等何も知ることができませんでした。
元入所者は法律で手厚く守られ、亡くなってしまったご主人、奥様には情報も何も届きません。まるで事件などなかったかの如く、ご主人の存在は葬られて行きました。
このような被害者の状況を少しでも社会に知らせ、加害者の立ち直りが大事とはいえ、被害者遺族の立ち直りこそ大事なのではないでしょうか。それらのことを社会にもっと知ってもらい、法律を変える必要があると訴えたシンポジウムです。
私も医療観察制度には大変関心があり、自らが代表を務める「途切れない支援を被害者と考える会」では、保護観察官の方を招いて勉強会を開いたこともありました。
シンポジウムでは、1部で、新あすの会の事務局長米田龍玄氏、国立病院機構久里浜医療センター司法病棟部長西岡直也医師、上智大学客員研究員伊藤冨士江氏等の講演がありました。2部では被害者遺族、支援者のお話がありました。
刑法第39条
心神喪失者の行為は、罰しない。
2,心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
医療観察法は、精神障害のために重大な他害を行い、責任能力がないと決定した者に対して、安心で安全な社会復帰を促進することが目的に作られています。
国の法律で、手厚く守られている加害者と、知る権利も何もない被害者遺族。これでは、被害者、被害者遺族はつらすぎます。心神喪失者の人が犯罪を起こす前に、社会ができることはないのかと強く思います。