つい数ヶ月前、生徒たちが公共施設にいたずら書きをしました。そのいたずら書きを消すのに、生徒とPTAが一緒に壁塗りをするなど、保護者と先生が様々な問題に体を張って子どもたちと取りんできました。私はそんな6中の生徒の多感な時期をずっと見てきました。「ずっと地域で見守っています。だからがんばって!」と思わず声をかけました。
校長先生は「式で落ち着かないことがあるかもしれませんが」と心配されていましたが、生徒たちは先生の心配をよそにきちんと卒業式の主役を務めました。立派でした。生徒と一緒に考え、真摯に取り組んできた先生方を、生徒たちは裏切ることはしませんでした。ここで式を台無しにしたら先生たちも自分たちもいやな思いをすると、理解しているのです。式の最中、先生方にお礼を言った男子生徒が、泣いてしまい言葉にならなくなった姿は感動的でした。青春ドラマのような「愛」がそこにありました。校長先生のお言葉にも感動しました。本当に生徒たちを心配し、真っ直ぐに、謙虚に、たくましく羽ばたいて欲しいと言う願いがこもっていました。とてもいい卒業式でした。
第6中は中野区立小中学校の再編計画で20年度には第11中と統合されます。今年度からは統合の具体的な検討に入ります。6中という学校がなくなってしまうことは、卒業生でなくても、地元でずっと6中生に係わってきた者たちにとっては寂しいものです。しかし、6中生であった誇りはいつまでも卒業生によって受け継がれていくのだと、今日の式に参列させていただいて思いました。