こころが
きれいだから
なんでもきれいに
見えるんだ
なあ
みつを
彼の詩と文字が醸し出す優しさは、多くの人の心を打ちます。私も以前から、相田みつをさんの詩が好きでした。
PTAの家庭教育学級で、国際フォーラムにある「相田みつを美術館」に行きました。学校で行なう行事でもなかなか参加者が集まらない昨今、「有楽町」という場所で開催するのは、主催者である教養委員のお母さんたちの勇気ある決断だった思います。おかげで、約30名のお母さんたちが集まり、大変有意義な時間を過ごすことができました。思い切った企画をしてくださった教養委員の皆さんに感謝します。


相田みつをさんの作品の優しさは、どこからくるのか、今日、息子さん相田一人美術館館長のお話を伺って少し理解できたような気がしました。
相田一人さんが聞かせてくださったテープに「メロンとトマトのお話」がありました。
「なぜトマトとメロンを比べたりするのか、トマトはトマトで精一杯生きていて、メロンはメロンを精一杯生きているのだから、トマトがメロンになることもなく、メロンがトマトになることもない」
この詩を聞いて、子どもを持つ母親たちは耳が痛く、校長先生初め先生方も、自分たちの子育てを反省する場面がありました。トマトとメロンを、子どもに置き換え、「子ども同士を比べてみても何も意味の無い事ですよ」と私たちには聞こえました。勉強も得意でない、足も速くない、何をやってもうまくいかない、そんな子どもの母親たちは不安と自己嫌悪の塊です。自分の気持ちもコントロールできず、ただ子どもを叱ることしかできないでいます。相田みつをさんの詩は、そんな私たちに人間の根っこの部分を思い出させてくれました。
私は、相田みつをの詩の前で娘の事を考えました。中学1年で、突然お父さんを殺され、誰よりも悲しく、辛い中で、いつでも、私を気遣い、弟を構い、祖父母を助け、近所の高齢者に声をかけ、近所の小学生たちの人気者です。亡くなった主人のお母さん、自分の大好きな「おばあちゃん」に対しても「自分の子どもが死んじゃったんだから、きっと誰よりも悲しいんだよ」と言って気遣う優しい子です。
その娘に、今まで真っ直ぐに育ってくれたお礼と感謝を伝えたくなり、小さな色紙を買って帰りました。
ただいるだけで
あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる
あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ
そんな
あなたにわたしも
なりたい
みつを
