エンスケッドゴード保育園視察
ストックホルムの保育園を視察しました。園児は16人、職員は6人です。
フルタイムの職員が3人、短時間職員が3人です。
子どもたちは9時から3時ごろまで、好きな時間に保護者が連れて登園します。この好きな時間に来ていいと言うのは保護者にとっては負担が少なく、有難いことだと思います。ランチは学校の給食を運んでくるそうです。
スウェーデンでは子ども1人につき、60日、親は会社を休む事ができます。お話を聞かせてくださった職員の方も、自分の子どもが小さいときは、子どものために保育園の仕事を休む事がしばしばあったということです。そういう時は自治体からすぐに変わりの職員が派遣されてくるそうです。日本では自分の子どものために職場を休むことに後ろめたい感覚がありますが、スウェーデンでは、代わりを出してくれるので、正々堂々と休みを取ることができると言います。ここにも子どもを育てやすい環境整備ができているのです。
昨日視察したオープン保育園と同様に、一般的な保育園も住民が歩いて通える所にあります。「子どもたちの間でいじめなどありませんか?」と言う私の質問に職員は「私は1970年代から働いているから、子どもたちの間で、いじめや問題があればすぐに対応できます」とおっしゃっていました。子どもの顔色1つでどんなことが発生したか、すぐにわかるベテランの保育のプロの存在は、とてもたくましく、子どもを安心して預けられる感じがしました。


中野区では、「中野区が保育園を民営化又は指定管理者制度を使い、保育園に掛かる財源を少なくしてきたが、民間が人件費を削るために若い保母さんを使い捨てていくやり方では、保育の質を落とすことに繋がらないのか?」と言う質問が、この3年ほど絶えず議論されてきました。その答えはまだ出ませんが、自信を持って働く保育のプロの存在がどんなに大切であるかを強く感じました。
この保育園にある本は、定期的に市のバスがきて、本を入れ替えていくそうです。とても効率的なやり方に感心しました。
近年、保育園の先生が幼稚園の先生の資格も取り始めるようになってきたそうです。保母さんと言う、お母さんの代わりと言う要素より教育者として子どもに係わることを望む傾向が強くなってきたそうです。ここでも、充実した保育現場もより、子どもたちのさらなる向上を目指し、変化していました。
エンスケッド高校 障害児職業コース視察
16歳から20歳の生徒が通っています、クラスは8クラス。
その中の障害のある生徒の職業コースを視察しました。45人の生徒にたいして、25人の先生がいました。知的障害の人が多いそうです。4年制で、ホテルのレストランの職に着くための訓練や手仕事を身に着けます。4年目は現場実習で、卒業後はレストランに就職します。在学中にスリランカやイタリアなどへも旅行しています。
私がとても感心したのは、卒業後にきちんと就職できるように厳しい指導をしているということと、高校の中に学童保育の場があることでした。生徒は、ここで親が帰ってくるまでの時間を自由に過ごせるのです。放課後25人が学童保育を受けています。親は安心して夕方まで働く事ができます。

通訳の藤井さんのお宅視察
スウェーデン語の通訳の方のお宅を見せていただきました。そのお宅は、以前学校の朝食室だった所を改造して、何人かで借りて済んでいるという事です。これには大変驚きました。
現在のように進んでいるスウェーデンの様々な児童ケアの仕組みも、もともとは、親のケアを受けられない貧困層の子どもたちの状態をどのように改善していくかと言うところから始まったといいます。朝ごはんを食べられない子どもたちのために、朝食を作り食べさせてくれる所が学校にあったそうです。そこが現在では不要になったので、住宅として使われているのです。建物を壊さずに、今必要なものを用意する、徹底して、無駄なものには費用をかけず、必要なものとして最大限活かす考え方には、頭が下がる思いでした。
フィンランドへ
アーランダ空港からヘルシンキへ