子どもたちは、何度も、何度も指導してもらい、書き直していました。
子どもたちは、一生懸命指導してくれる人に出会いたい、お手本の字のように上手に書けるようになりたいと思っているのです。でも、学校では時間がなく、宿題となった時、母親が1人で子どもの宿題の全てを受け入れる事には大変なストレスを感じます。そんな時、「子どもときちんと向き合い、あきらめずに教えてくれる」大人の存在が、どんなにありがたいことか。
家族が大勢いて、誰がということもなく、子どもたちに目を向けていた時代は、子ども自身が敏感に感じ取って、「算数を聞くのは誰」「字が上手なのは誰」「お裁縫がうまいのは誰」と自然に大人から知識を得ることができたように思います。今、学校以外はほとんど母だけで子どもに対応する時代、宿題ですら、核家族親子にとっては負担です。
昨年の夏休み、小学校の家庭科の先生が学校で、クッション作りを教えてくれました。うちの子どもは毎日学校に通い、クロスステッチのなかなか立派なクッションを作ることができました。毎日、毎日学校に通って作品を作り上げたことは、子どもにとって大変な自信になりました。夏休みに学校を解放してくださり、初めての子どもにわかるまで指導してくださり、子どもに自信を持たせてくださった家庭科の先生に対し、感謝の気持ちでいっぱいでした。本当にありがとうございました。
「やればできること」を教えてくれる、「できるまで付き合ってくれる」先生の存在は、子どもたちの宝物です。地域の公立中学校でも、もう少し多くの教師たちが、できない生徒たちにできる喜びを与えることが出来れば、生徒たちは学校に行く喜びを感じ、大きな自信を手に入れられると思うのです。雑用に追われる先生たちに、それを求めることが難しい、それが今の公立学校の現状なのでしょう。