「区民風車」
私は「区民風車」について質問しました。
中野区は茨城県日立太田市に風車を3基建てることを計画しています。この風車で風力発電を行い、その電力を売る事で売電収入を得るというものです。この「環境に優しい」風力発電には国から補助金が出る事になっています。
田中区長は、区長選挙立候補時のマニフェストにこの「区民風車」を掲げているので、区長に当選した時点で区民の了解は取っていると言うことなのですが、2月8日に新聞に発表され、多くの区民が「これはいったい何?」と思ったようです。
2月29日の予算特別委員会での私の質問に対して、区の職員は「現段階の計画では1年間に2000キロワット、1基で3600万円の売電収入が想定される」と答弁しました。風車の耐用年数は20年程度、事業開始後12年から13年ぐらいでようやく黒字になるという事です。建設費1基5億円の半分を経済産業省からの補助金で賄います。それでも黒字になるのが12年後だとすると、耐用年数の20年までの収入は3億円程度です。
1基目が壊れ、2基目を立てる時には、補助金は出ないのですから、初めから赤字覚悟の事業です。「2基目からの計画はどうなっているのか」と部長に質問したところ、「まだ決めていない」という答弁です。
20年後には風車そのものが大きなゴミになってしまう問題など、さまざまな方向からの検証もないまま、風力発電が「環境に優しい」という発想だけで、この事業に踏み出すことに私は納得できず、区民が大きなリスクを負う点を発言しました。しっかりとした検証を望みましたが、職員は「何十年後の事など分らない」と言う態度でした。
これまでも、このように甘い構想で補助金を貰い、後の運用や事業計画の詳細のことを考えず、区民の税金が不必要な事業に使われて来たのでしょう。
「区民風車」が本当に中野区に必要な事業なのか、区民の声を聞くべきだと思います。