
前鳥取県知事、慶応大学法学部片山善博教授は、「今の自治体は国がコントロールしていて、首長は大きな影響を受けている。国のコントロール機能を食い止めるのも議会の役割である」と話されました。また「議会は魚河岸のようなものが望ましい」(良い魚を安く買うために魚河岸では懸命な値引き交渉が行われる事の例え)と話され、議論を戦わせることの重要性を主張されていました、その後、ゲストと三重県民と片山氏のパネルデイスカッションがありました。

中野区は議会改革という点では、早くから改革だけはなされていると思いました。たとえば、議員の公費での海外視察は早い時期から取りやめになっていますし、議会中継、議会公開などもされています。
しかし、さらに改革を進める自治体では、少数派の意見をしっかり聞く方針があったり、三重県のように政権与党が自民から民主へと入れ替わったりするなど、首長に緊張感がある自治体の議会改革は、より進んでいるように思えます。
中野区では、ケーブルテレビの中継時間が無所属議員には与えられず、年金問題などで国民的に有名な民主党ながつま昭議員を選出している区であるのに、中野区の民主党は4人しかいないので議会のルールを決める議会運営委員会にも参加できません。中野区では、自民党と公明党の議員を合わせると23人、全40人の議員の大多数を占めているので、両党が納得すれば、首長の決めたことは、その他各政党や無所属の立場からの問いかけは議論にもならず、決まって行くのが現状です。片山氏の言われるような、それぞれの立場の人が大いに議論する「魚河岸のような」活発な議論にはなりません。
シンポジウム終了後私は、中野区では教科書検定問題を「議会で議論するのがふさわしくない」として区民の陳情を受け付けなかった話しを、全国から集まった議員の方に問い、他の自治体の議会の状況を聞いてみました。皆さん大変驚いて、「全会一致で住民の声を国に届けた。」「住民からは意見書を上げる声がなかった。」また「理由はともあれ、議会を閉ざすことを議会自信がしてはダメですね。」様々な反応がありました。
現在、多くの自治体の議員が、議会をいかに住民に対して開いていこうか検討している時に、議会に提出された問題に対し議論する前から「ふさわしくない」として議会を閉じてしまっているのが、今の中野区議会です。自分たちの暮らしを支えるルールがどのように作られていくのか、ぜひ皆さん、中野区議会をぜひ傍聴にいらしてください。