中野区幹部職員不正打刻裁判
中野区の幹部職員が病気で出庁していない職員のタイムカードを約1ヵ月半もの間押し、不正に給与を払っていた事件について、本日、東京高等裁判所で判決がでました。
3年前、当時の中野区の総務部長と総務課長による、タイムカード不正打刻が発覚しました。病欠中の参事のタイムカードを1ヶ月半毎日代わりに打刻し、区はその間の参事の給料を支払っていたものです。区の処分は不正打刻した職員に1ヶ月10%減給処分という軽いものでした。
これに対し区民が区長に質問状を出しましたが、区長は処分は適正と言うだけでした。区民が「区役所内の身内」に対するあまりに甘い処分に納得できずにいたところ、サンプラザについての情報漏洩問題が起こりました。この情報漏えいした職員に対しては、区長は氏名不詳で刑事告発をしました。明らかに相手によって対応が異なる区長の態度、不正にタイムカードを打刻して全く反省のない職員に対して、怒った区民が、区長を相手に損害賠償の裁判を起こしました。
2005年4月に始まった裁判は、14回続き、1審は住民側の勝訴で、区長に賠償請求命令が出ました。区側は直ちに控訴し、副区長、区長の尋問等を経て、今日の高裁での判決になりました。
判決は、「不正打刻行為を隠蔽するため退職処分を遡及した」と指摘され、1審よりさらに優位な判決で住民側の全面勝訴でした。これで、区側が控訴しなければ、区長、前総務部長、前総務課長、亡くなられた前参事の2人の遺族が、区に不当利得を返還することになります。裁判を闘ってきた区民たちは、長い裁判に勝訴し喜んでいました。
当事者の幹部職員が全く反省の態度を示していないことが、私も気になり、議会で質問もしました。しかし、少数派の意見には耳も傾けず、ひたすら保身に走る幹部職員の態度に呆れるばかりでした。また、この事件後、不正打刻した当事者が2人ともそろって昇進したことに納得がいきませんでした。
今回、裁判で区側は敗訴しましたが、この判決を受けても反省することなく、区民に謝罪もしないまま済ますつもりでしょうか。