若者たちの親の中には、涙を流し、土下座をして詫びる人もいましたが、その誰一人にも、私の家族に突然突きつけられた悲しみと憤りは理解できないことがよく分かりました。
土曜毎に取材に来ていたテレビの取材班に、一人の父親は声を荒げました。いきなり「やめろ!」と食って掛かるその言葉のひどさと態度に私は驚きました。「あなたの息子は、金をもらって知らない人間を拉致し殺すことを選んだ。人間はお金がなくても生きて行けることを、どうして子供に教えなかったのか」と私は言い続けました。
主犯の酒井の親族(奥さんと酒井の弟)は弁護士2人に守られて来て、涙を見せるでもなく、謝罪の言葉のひとつもありませんでした。最後には、持って来た花を公園に投げ捨てて振り返りもせず帰って行きました。
近藤浩は、双日(株)の商権裁判の仕事を担当して、もともと違法な行為をした人間に恨まれ、殺されてしまったのです。商権を持ち逃げし、ぼろ儲をして、豊かな生活を享受した後、双日(株)に訴えられたら「金がないから払えない」と言い、ずるずる裁判を長引かせ、自分の立場が悪くなったのは近藤のせいだと恨み殺人を計画した酒井、奥さんはその酒井の会社の取締役、「私は関係ない」とは言えない立場です。子供を私立に通わせ、きれいな身なりをし、2人の弁護士をつける金があるのですから、きちんと会社に対して弁償し、もう何をしても償うことは出来ないことですが、主人に、近藤浩に心から詫びて償って欲しいと思います。