双日マシナリー(株)の方、取引先の方、主人と以前一緒に仕事をしていた方、その家族など全部が11人の方が主人を「偲ぶ会」を開いてくださいました。我が家も6人が参加して、にぎやかに、元気だった頃の誠実で真面目に仕事をこなす主人の話の数々を聞くことができました。
「近藤さんは1時過ぎに寝て、4時にはもう仕事に行ってしまった。」と一緒に仕事をしていた人は、皆が驚くほどの強靭な体力だった主人の元気な仕事ぶりに感心して話してくれました。誰もが「あんなに働く人はいない。」と口をそろえて言います。
また、酒井とも面識があった方も参加していました。やはり変な行動を取る人間だとは感じていたそうです。主人が行方不明になってから、それぞれが警察に呼び出されたり、何度も裁判を傍聴したり、テレビのドラマの様なことが自分の身に起こり、怖い思い、嫌な思い、つらい思い、大変な思いを直接した人ばかりです。皆さんが共通して思うことは「一生忘れられない出来事」なのです。
そして近藤浩が残した、彼と関わったものにしか分からない「パワー」と「誠実さ」を皆が忘れずに引き継いでいくつもりだと言うことをおっしゃってくださいました。現在の社会で様々起こる「不正」「横領」「偽造」「命の軽視」と言うことから1番遠い人だった主人は「正義」と「誠実さ」を仕事仲間にしっかり伝えていました。
この会の後、数名の方は主人の実家にまでお線香を上げに行ってくださるというのです。地方から羽田、羽田から主人の実家へ、1日のうちに2度も飛行機に乗り継ぎしてまで、遺族を励ましに来てくださり、本当にありがとうございました。
主人の両親は、命日の前に、酒井が主人の遺体を運んだ茨城の山の奥まで2人で拝みに行ってきました。最愛の息子を殺された年老いたご両親が2人きりで、茨城の深い、深い山の奥の死体発見現場に向かい車を走らせたことを思うと涙が止まりませんでした。それでも息子の最後の場所に行って手を合わせなければ自分たちはいてもたってもいられないと考える両親なのです。
加害者の家族は自分達にとって簡単にできること(花を送ってきたり)はするのですが、自分達が嫌な思いや、苦労してまで被害者に謝ることはありません。裁判で刑が決まると、加害者家族は、全く犯罪に関係ない存在になり、加害者家族のことを言うと、逆に訴えられることもあるそうです。
どんなに時間がたっても、つらい思いをするのは、つらくても行動しなければならないのは被害者の家族なのです。